長崎県 海も山も、対馬を楽しむ

島土の約89％が山地、原生林が残る対馬
全国の市町村の中でも、名前のある山の数が全国で一番多いのが実はこの対馬市になります。名前がつけられているということは対馬の人々にとって山は、さまざまな側面で大切な存在だったのです。中でも国指定天然記念物「白嶽」は、古くから霊峰として崇敬され、山頂からはリアス海岸の浅茅湾を一望、気象条件が整えば韓国の山影を望むことができます。逆に海からの目印として現在も航海に役立てられています。
667年に築かれた国指定特別城址「金田城」は、防人たちが朝鮮半島を睨み続けるという国防の最前線でした。それから1,200年以上の時が過ぎ、忘れられていた金田城は日露戦争前夜、再び要塞として整備され、巨大な砲台が据え付けられました。

132段の百雁木（ひゃくがんぎ）と言われる石段が幽玄な雰囲気を醸し出している「万松院（ばんしょういん）」。江戸時代、海に面した各藩は藩船を格納するお船屋を設けていましたが、ここ対馬藩の「お船江跡」ほど原形を残しているのは全国でも珍しいとのこと。海からも鳥居を拝むことができる「和多都美神社」は、古くから竜宮伝説が残されています。

対馬は複雑なリアス海岸の恩恵で、さまざまなマリンアクティビティを楽しむことができます。フィッシングは、強風下でも浅茅湾内なら風裏のポイントが確保でき、初心者から釣り上級者までオールシーズンOK。ヒラマサ、ブリなどの青物からキジハタなどの根魚まで様々な魚種がターゲットになります。
その他、透明度の高い海でのシーカヤック体験は、海面スレスレから対馬の雄大な自然を眺めることができます。もちろんSUPやスキューバーダイビングなども体験可能。アフターボーティングのオススメは、やはり「原始林トレッキング」で決まり！初心者コースは「金田城址」です。標高は276m、砲台跡までの軍道（馬車道）は緩傾斜で、ご家族連れでも安心です。
グルメもピカ一です。全国トップレベルの水揚げを誇る穴子や旬の魚介類はもちろん、「対州そば」も魅力です。蕎麦はもともと外来種ですが、大陸から日本に蕎麦が持ち込まれたときに最初に上陸したところが対馬で、今でも原種に近い蕎麦が栽培されています。
また、対馬名物・加寿萬喜（かすまき）は、対馬藩の藩主・対州公ゆかりのもので、今でもおめでたい席で欠かすことのできない伝統のお菓子です。