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ゼロから始めるGPS魚群探知機講座 入門編

GPS魚探の基本をマスターしよう !

GPS魚探の基本をマスターしよう ! 会報誌See Sea Style vol.34 [2022.03] 掲載 <監修:小野信昭>

会員様のアンケートで大変多くお寄せいただいている「GPS魚探について知りたい」という声にお応えし、
「ゼロから始めるGPS魚群探知機講座」と題し、GPS魚探の基本原理と初心者が陥りやすい魚探画面の誤った解釈についてご紹介します。

1.GPSと魚群探知機

シースタイルのクラブ艇には、自船の位置・船速などを把握できるGPS機能と、水深・海底地形・魚群の有無などを知る魚群探知機能を有する「GPS魚群探知機」が標準装備されています。
まずは、GPSと魚群探知機の基本から解説します。

電波を受信

GPSは全世界的な位置測定システムで、地球上空を周回する複数の人工衛星から発射される電波を直接受信し、自船位置を割り出す仕組みです。言わばカーナビの海版です。

超音波を発信・受信

魚群探知機は超音波を利用することで、水深・海底地形・魚群の有無などを把握できる仕組みです。やまびこ(エコー)の原理と同様で、山岳地帯で「ヤッホー」と叫ぶとその声が音波となって発射され、向かい側にある山にぶつかって反射し、その音波の一部が発射したところまで返ってきて聞こえるというもので、魚探はこの音波の反射原理を利用しています。

画面左側はボートの位置情報を表すGPS表示画面で、画面右側は海中の様子を表す魚探表示画面

超音波を発信・受信

魚探本体にケーブルで接続する送受波器(振動子)

魚探で使用している「音波」は、人間の耳には聞こえない高い振動数をもつ「超音波」です。魚探は、送受波器(振動子)から発射した超音波が海中の反射物(魚群や海底)にぶつかって反射し、再び送受波器に戻るまでの時間を距離に換算してディスプレイに表現する装置、ということになります。海中の最新情報は常にディスプレイの右端縦一列に表示され、順次画面の左側へ移動していきます。

「周波数」と「指向角」も理解して魚探を活用しよう!

搭載されている魚探の「周波数」と「指向角」を把握して使うことで、探知レベルが向上します。指向角が大きく到達距離の大きな低周波(50kHzなど)ではポイントを大まかに探査し、分解能力に優れた高周波(200kHzなど)では魚群を細かく探査しポイントを絞り込む、という使い方ができます。

●周波数
「周波数」とは音の高さ。現在、50kHz(低い音)と200kHz(高い音)の2周波を搭載している魚群探知機が多くを占めていて、その音波の高低による性質(到達距離・分解能力)の違いを利用して解析している。

●指向角
音波は発射される地点から放射状に広がるが、この広がり具合を「指向角」という。50kHzの指向角は広いため、広範囲を探査するのに有利。一方、200kHzの指向角は狭いが、その分高い分解能力で探査することができる。

魚探画面の右端が常に最新情報
魚群探知機の画面は、常に右端に最新情報が表示され、順次左へと送られていきます。よって、現在のボート直下の情報は右端に表示されています。
魚探画面の表示内容やマークを知る
クラブ艇搭載の魚群探知機で使用される記号やマークの意味を確認しておくと、理解が進みます。機種によってはどれが魚の反応かを判別してくれる「おさかなマーク」などもあります。

2.魚探での海底底質の判断方法

魚探を利用して海底の底質を知る、ということは、ボートフィッシングで良い釣果を目指すために重要なステップです。
尾引きの原理が分かると、海底の底質を判断できるようになります。

尾引き

魚探画面に映し出された海底ラインの下側に伸びた「尾引き」の長さは、反射して戻ってくる超音波の強さを示しています。反射が強い岩礁帯では尾引きが長く、反射が弱い砂地では尾引きが短く表示されます。

3.初心者が陥りやすい魚探画面の誤った解釈の事例

魚探の基本原理を確認できたところで、最後に魚探の画面から得られる情報を誤って読み取ってしまう、初心者の方が陥りやすい代表的な事例を2つご紹介します。

停船中、船下の海底を平坦だと間違える

凸凹の険しい海底地形の場所でも、海底に対してボートが停まった状態で波やウネリによる上下動がないと、魚探に表示される海底ラインが直線に表示されます。これは送受波器から発した超音波が海底で反射し、送受波器へ戻るまでの時間が変化しないことにより、時間を距離に換算して求められた水深が変化しないためです。
魚探は常に右端から左へと画面が送られていきますが、水深に変化が生じないと、たとえ海底に凸凹が存在したとしても直線の表示になってしまうのです。

揺れによる凸凹を、海底起伏と間違える

波やウネリの影響でボートが揺れると、魚探表示にその影響が表れます。縦揺れ(ピッチング)にしろ、横揺れ(ローリング)にしろ、船体が傾くと設置されている送受波器も一緒に傾くことになり、本来、垂直方向に発するはずの超音波を斜め方向へ発信することになります。
その結果、真実の水深に対して斜め方向を測ることになり、「より深く」判断してしまうのです。波やウネリによる作用とボートが姿勢を保とうとする復元力により、水平を挟んで揺れが繰り返されることで、海底ラインがノコギリ歯状に映し出されることになります。

4.まとめ

魚探に映し出される魚の反応は普遍的なものではありません。魚の行動は季節、水温、時間帯、天候、地域によっても異なるためです。また、海底地形もボートの挙動によって映り方が変化します。魚探を上手に使いこなして釣果をあげている方は、画面から得られる情報だけを頼りにせず、実釣での経験も加えて判断しています。
魚探の原理を理解し、実際に魚が釣れた時の魚探画面がどのような反応を表示していたかの確認を習慣づけることが、次のポイント探し、そして釣果アップに繋がります。

ボートフィッシングで良い釣果を得るためのポイント

1.ターゲット(魚)の習性(釣期、生息場所、水深、泳層)を把握しよう

2.魚の反応だけでなく、海底地形、底質も注目する

3.魚がヒットした瞬間の魚探画面の確認を心掛けよう

★魚探や竿先だけを注視せず、見張りの励行を忘れずに!
★GPS魚探の基本的な使い方は、マリーナスタッフに確認しよう♪

おさかなの生息場所・泳層の参考例

シロギス
砂地に生息する魚の代表例
カサゴ
岩礁地帯に生息する魚の代表例
アジ
宙層を回遊する魚の代表例
カンパチ
捕食対象魚を追って行動する魚の代表例

この記事は、会員制マリンクラブ(レンタルボート)Sea-Style会員様向けの会報誌に連載された内容を紹介するものです。

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