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第3回 魚探で海底底質を判断する

ボートフィッシングで釣果を得ようと思ったら、魚の棲息場所を船長である自らが探さなければなりません。

ボートフィッシングで釣果を得ようと思ったら、魚の棲息場所を船長である自らが探さなければなりません。 会報誌See Sea Style vol.37 [2023.10] 掲載 <監修:小野信昭>

クラブ艇には必ずGPS魚群探知機(以下、GPS魚探)が装備されていますが、それを使いこなすには、ターゲット(釣りたい魚)の習性を知ることが大切です。
釣りやすい時期はいつか? 棲息場所の水深はどれくらいか? 海底底質は砂なのか岩なのか ? 遊泳層は海底付近なのか宙層なのか? など、これらの知識を得たうえでボートを出航させる必要があります。今回はGPS魚探を用いて、魚の棲息場所と深く関わりのある海底底質の見極め方についてわかりやすく解説していきます。

魚探に表示される海底の凸凹から底質を判断してはいけない

魚には砂地を好んで棲息するものもいれば、岩礁を好んで棲息するものもいます。あるいはエサとなる小魚を追って行動し、砂とか岩とか関係なく棲息場所を変える魚もあります。海底が凸凹しているからといって底質を岩だと決めつけていませんか。または、海底がフラット(平坦)だからといって底質を砂だと決めつけていませんか。実際の海中では、砂地であっても凸凹しているところも在れば、岩であってもフラットなところも在ります(画像A・B)。GPS魚探に表示される海底ラインの凸凹だけで底質を判断すると、判断ミスをすることがあります。

画像A/凸凹が在るが砂地
画像B/フラット(平坦)だが岩礁

超音波の反射波の強さで海底底質を判断する

クラブ艇に装備されたGPS魚探本体にケーブルで接続された送受波器から発信する超音波は、進行方向に何もなければまっすぐ進み、海底に到達します。海底には砂や泥、岩など様々な底質が在りますが(画像C)、いずれも水とは密度が異なるため超音波は反射し、その反射波の一部が送受波器へ戻ります。この発信から着信までにかかった時間を計測し、超音波の伝達スピードを乗ずることで反射させた物体までの距離を算出することができ、魚探画面には水中に密度が異なる物体が存在することを表示します。また、海底まで到達する手前に単体魚や魚群が存在すればその分早く反射し、その反射波が送受波器に戻ることになります。

画像C/海底には岩や砂など様々な底質がある

超音波はぶつかる物体の硬さによって反射の強さの程度が異なります。超音波を野球ボールに例えると理解しやすいです。野球ボールを岩の上に落とすと跳ね返りが大きくなりますが、砂や泥の上に落とすと跳ね返りが小さくなるのは皆さんも理解できると思います。つまり超音波が岩などの硬い物体にぶつかると超音波が反射しやすく、強い反射波が送受波器に届きます。逆に砂や泥などの柔らかな物体では超音波が反射しづらく、送受波器には弱い反射波が戻ることになります(図D)。

図D/底質による跳ね返りの違い

この反射波の強さは、魚探画面の海底ラインの下側に伸びる「尾引き」となって表示されます。つまりこの尾引きが長く表示されている時の海底は硬く、底質は岩の確率が高くなります。逆に尾引きが短く表示されている時の海底は柔らかく、底質は砂や泥の確率が高くなります(画像E)。

画像E/尾引きによる底質判断

但し、この尾引きによる底質判断にも弱点があります。それは画面内に尾引きの長い部分と短い部分の両方が存在して初めてその長短を判断できるのであって、画面内の尾引きの長さが一定の場合にはそれが長いのか短いのかを判断できなくなり、底質を推測できなくなります(画像F)。その様な時は、仕掛けを降ろしてオモリで海底をトントン叩き、海底が硬いか柔らかいかを判断するしかありません。この方法は原始的ではありますが、手っ取り早く、それでいて慣れればかなり正確に底質を判断できるので習得するとポイント探しの際の強みになります。

画像F/ 尾引きに変化がないと底質を判断できない

まとめ

1.
海底底質が硬いと反射波が強く、海底底質が柔らかいと反射波が弱くなる
2.
魚探画面の尾引きの長さは、反射波の強度を示している
3.
魚探画面内に尾引きの長短がある場合は、底質が変化している

この記事は、会員制マリンクラブ(レンタルボート)Sea-Style会員様向けの会報誌に連載された内容を紹介するものです。

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