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【その12】食あたりを未然に防ぐ

最近増えているサバによる食あたり。元凶のアニサキスを知り、未然に防ぐ方法を伝授します。

最近増えているサバによる食あたり。元凶のアニサキスを知り、未然に防ぐ方法を伝授します。 会報誌See Sea Style vol.36 [2023.10] 掲載 <文・写真:お魚かたりべ 山嵜清張>

海水温降下が始まる季節には、旬を迎える魚たちが増えてきます。中でもアオザカナたちの腹中脂の蓄えに、嬉しい悲鳴が上がります。

近年騒がれ話題になることの増えたサバでの食あたり

ところが、近年騒がれ話題になることの増えたサバでの食あたりは、魚全般の流通量にまで影響を与えてしまったのではと思えるほどです。その元凶となるアニサキスが人体に入ることにより起こる症状は、経験した者にしかわからない痛みと言われますので怖がるのは当然なのですが、なぜそうなるのかを理解しておけば未然に防ぐことができます。
魚の寄生虫であるアニサキスは、クジラ、イルカなどの海生哺乳類の内臓内に棲息し、糞と一緒に海中へ浮遊したものが魚たちに捕食され、魚の中へ。さらにその魚がより大きな魚に捕食されることにより、宿主を替えてゆきます。アニサキス自体は内臓の中に寄生するのですが、魚が命を終え、その内臓の鮮度が落ちることにより棲息場所を内臓から身の中などへと移動します。それを気付かずに食べてしまったことにより、食あたりを発症しているのです。魚の鮮度が悪いほどに心配すべき度合が上がるわけですが、その様な状態は釣り人として容認できませんよね。
次々と釣れているタイミングは逃したくないでしょうから、釣り上げたサバはひとまずイケスに泳がせておき、山が落ち着いた時に活ジメ、神経抜きを施し、血抜きのために流水溜め水へ置き、腹を開け内臓を取り除きましょう。

よくサバに見られるアニサキス

アニサキス
サバ(写真はゴマサバ)
近年は、セリ場でも神経を抜いた姿で上場されている(写真はマサバ)

ひと手間を施すことでアニサキスの存在自体を除いてしまう

そのひと手間を施すことでアニサキスの存在自体を除いてしまうのですから、もしもという心配は最小限となります。昔、食べたサバの刺身が美味しかったという思い出のある方は、釣り上げた船上で食べたなど、鮮度が最優先だったからこそ安全だった訳で、今も昔もサバ自体に変化はないのです。魚種によっては魚が生きているうちから身の中に入り込んでいる場合もありますので、確実なのは48時間の冷凍か加熱調理でいただくという基本はお忘れなく。
自分が釣り上げた獲物ですので、責任を持って対処し自信を持って味わいたい。「生き腐れ」と言われる足の速い魚ではありますが、知識を持った活ジメと下処理さえ施せば、安心して人様に差し上げることができて、釣果を一緒に喜んでもらえる人が増えることに繋がりますね。

食あたりを避けるための「活ジメ~下処理」まで

1.獲物はひとまず船舶のイケスか容器での溜め水で活かす
2.首ジメ、神経抜きを施す
3.溜め水で血抜きを行う。活ジメ、血抜きをしっかり施すと身の中から血の気が消える
4.腹を開け、内臓を取り除く
【調理例】サバの刺身
【調理例】サバ寿司/アニサキスは酢ジメでは死なないため、サバの状態により判断を

ご参考までに

加熱調理なら心配ナシ。過剰に怖がり過ぎません様に !

サバの塩焼き
サバの煮付け

メジロで見かけるブリ糸状虫(アニサキスより大型。食べても人体には寄生しない)

この記事は、会員制マリンクラブ(レンタルボート)Sea-Style会員様向けの会報誌に連載された内容を紹介するものです。

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