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【その10】刺身の盛り付け方

前回は刺身の完成までご紹介しました。今回は、出来映えを左右する「盛り付け方」を伝授します。

前回は刺身の完成までご紹介しました。今回は、出来映えを左右する「盛り付け方」を伝授します。 会報誌See Sea Style vol.35 [2022.10] 掲載 <文・写真:お魚かたりべ 山嵜清張>

「わぁ 美味しそう。」刺身を提供した時、言われて嬉しい言葉であり、その一言で、仕掛けを作り、釣り上げ、活ジメからさばいてと悪戦苦闘、意匠惨憺の苦労が報われるというものでしょう。

料理教室、さばき方教室において、最後の最後に思い悩まれている姿を見かけるのが盛り付けです。

ようやく刺身まで辿り着いたのに、最後の仕上げ如何で残念だったり、達成感や満足に包まれたり、それまでの努力を大きく分けてしまう大事な仕事です。
美しいなんて無理、難しいから、とあきらめている方もいるでしょうが、実は数点のポイントさえ理解すれば、あなたの刺身が上級者に見えるものですから、是非押さえておきましょう。
まず大事なのは、(1)器に盛る分量 (2)向きと高さ (3)色合いや形 です。

(1)器に盛る分量

大漁であったとばかりに大盛にすればするほど、主役である素材、魚の存在感は薄れます。器の地色が余白として見える、余裕を感じる程度の量にします。それでは物足りないという場面を想定し、別皿で大盛を準備して、まずは小盛りの皿で魚に敬意を払いましょう。

(2)向きと高さ

皿の向きを決め、盛る位置は奥側を山高とし、手前へ向けて低くしながら、右から左へと並べます。山から水が流れて来るイメージです。

(3)色合いや形

素材の色合いや形とは、正反対かより遠い色合いである器を択び、魚の存在を浮かび上がらせましょう。白身には濃い色合いの器、赤身には淡色の器を。そぎ造りで刺身のカドが立つように切った刺身には柔らかな曲線が見える皿、サイコロ切りやブツ切りをしてまとめ盛る場合は線が生える皿など。
刺身が一種の場合は切れ数を必ず奇数とし、扇のごとく手前を軸に右から左へと拡げれば華やかさを演出できます。盛り合わせる場合、山高の奥に位置するのは主である魚、特に色合いに特徴があるものは左手前、三種の中で特徴が薄いものを右手前とした三角形を作ることでバランスの取れた視覚となり、それらが遥か昔より魚食を永々と続けてきた日本人の心の奥底に、安心なもの、美味しいもの、と認識させる効果もあります。

最後にほんのひと手間をかけて盛り付ける

最後にほんのひと手間をかけて盛り付けることが、食べないかもしれない飾り花やつまを買いに走るよりも、視覚から「美味しいよ」と訴えかけてくれるのです。

配置

奥/主であるマダイ
左/次に主張したいハマチ
右/身色が違うため3番目としたサワラ
順番は想いや釣果で決めてOK。右利きが多いためワサビは右(理想は右手前。右奥でも可)

三角形は表彰台と同じ位置。主がどれであるか、私達の経験が脳裏に焼き付いている

山高

皿の奥にケンを位置して山高に。手前は大葉のみ。
奥から手前へ山から水が流れて来るかの様に(山水の法則)

向き

右から左へと重ね並べる。枚数は奇数に。
魚種を判断する皮目を見せるためだが、日本人の右書き・巻物文化が美しいものと判断させる。
奥側を開き、手前を窄めることで扇形とし、華やかさを

余白

皿に余白をつくることで品の良さを演出する

以下の例も知っておきましょう。

主であるマダイの白身の存在感が薄れている。3種共、ぼんやりと主張する力を失ったかのよう
大盛りで品がなく価値が落ちた印象。あえて刺身をもっと重ねて大げさな方が、豪快さや家庭的さを演出できる
釣果を楽しみ、分かち合うためにあえてポイントを外すのも良いが、ポイントを知っていてあえて外したのか、全く知らないのかの差は大きく、美味しいと思わせられるか否かに出てしまう

この記事は、会員制マリンクラブ(レンタルボート)Sea-Style会員様向けの会報誌に連載された内容を紹介するものです。

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