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ヤマハマリンクラブ・シースタイル

【その5】イカ・タコの活ジメ

美味しく食べるための扱い、活ジメ。今号では、イカ・タコの場合をご紹介します。

美味しく食べるための扱い、活ジメ。今号では、イカ・タコの場合をご紹介します。 会報誌See Sea Style vol.30 [2020.03] 掲載 <文・写真:お魚かたりべ 山嵜清張>

海水温の上昇と、春から初夏への眩い日差しに誘われて、海へ向かう気運も上がる頃ともなれば、多種のイカたちが姿を見せ始め、心待ちにしていた方は多いことと思われます。魚と同様、ポイントが合うと次々と獲物がかかり、そんな時ほど後の事は忘れがちです。美味しく食べるための扱い、活ジメを行うか否かで、まるで別物かと思える程鮮度が変わりますので、是非ひと手間をかけておきましょう。

目と目の間を尖ったもので刺し、動きを止めるのがイカの活ジメ

目と目の間を尖ったもので刺し、動きを止めるのがイカの活ジメなのですが、この時使用するのは市販された専用品である必要はなく、鋭利であれば可能です。刺して、先端に何か触れたと抵抗を感じられたら左右に少し動かせば、イカは瞬時に色が抜けるかの様に半透明か白く変化し、動きを止めます。その時の注意点として、呼吸するかの様に身体を膨らませ、吐くという動きに合わせ、吐いたその瞬間に突く事で、余計なスミを吐かれることはなくなります。後、必ず裏返しましょう。目の位置とは裏面にあるスミを吐く水管を上向きにすることにより、体内からスミが垂れ落ちることを防ぐのです。

突く道具がなくても目の上側部分より二本の指を差し入れ、身体を切り離す様にすれば、突きジメと同じ効果が得られます。慣れてくれば、バケツ一杯釣ったイカから一滴のスミも滴らすことすらなくなるのです。慣れないうちは「ブシュー」と大きな音と共に吐き出す海水やスミ、吸盤に驚きはあるでしょうが、落ち着いてシメてみましょう。

1.アオリイカ独特の濃い体色
2.活ジメで半透明に。内臓が透き通って見えます
3.ハリイカ。スミを多く吐く事からスミイカとも呼ばれる
4.イカは甲のある部分に海水を入れ、吐き出す事で推進力を得て泳ぐ。人の呼吸と似ている動きをします
5.シメポイント。目と目の間から奥(甲の方)へ向かって刺します
6.道具がない場合、親指・人差し指で目の上部分から体を切るつもりで指を刺し入れて、シメます
7.シメ直後、水管を上に向けるために裏返します

目と目の間を突きシメる行為はタコも同様

目と目の間を突きシメる行為はタコも同様ですが、掴んだ瞬間、反撃とばかりに八本の足で吸盤の跡が残る程締め上げて来る抵抗は必至ですが、イカ同様、ポイントさえ合えば体色はさっと変化します。よく起こる失敗は、半身だけや数本の足が白くならないこと。この状態は失敗ですので、再度同じ所を突き、先端を確実に左右へ動かし、同色となった事を確認出来ればシメの完成です。

タコの場合、一匹ずつビニール袋へ入れ、空気を抜くように密封し、水管の位置を考慮して保管すれば、滴ったスミが吸盤内に入り込まず、下処理の際、掃除する手間と時間が大幅に省けます。
釣り上げたその時にこそ、美味しく戴く為の、ほんの少しの手間を施しましょう。

1.シメポイント。目と目の間なのはタコも同様
2.頭と足の色違いに注目。頭と上下の足は、未だシマっていません(白く色変わりしていない=失敗)。再度刺し込み、先端に触れた場所を左右に動かして全体を白く変えます
3.タコの保管はビニール袋で
4.水管の位置・方向を考えておかないとスミが垂れ、真っ黒に。取り出すと吸盤の中にまでスミが。こうなると綺麗に洗う作業が大変です

イカ・タコの活ジメの心得

すべてのイカ・タコに向き合う時は、吐くスミの勢いや発する音に慣れないと恐怖を感じるかもしれませんが、呼吸を見られる様、落ち着く事が最優先。しっかりと身体を押さえ、動きを止めておく事も大事です。

ハリイカの刺身

この記事は、会員制マリンクラブ(レンタルボート)Sea-Style会員様向けの会報誌に連載された内容を紹介するものです。

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