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【その2】魚の神経抜き

今回は、魔法の技「魚の神経抜き」を伝授。原理を理解して場数を踏めば、誰でも習得できます。

今回は、魔法の技「魚の神経抜き」を伝授。原理を理解して場数を踏めば、誰でも習得できます。 会報誌See Sea Style vol.27 [2018.10] 掲載 <文・写真:お魚かたりべ 山嵜清張>

魚の鮮度保持を長引かせ、味まで良くするという、まるで魔法の様な技が「神経抜き」です。

近年、専用ツールが販売されていたり、釣り船の船頭さんが施している場面を見たことのある方も多いと思います。難しいと思うなかれ、そのシステムを知ることで、誰でも確実に駆使出来て、結果、手にした魚をより良い状態で味わえ、また人に差し上げることが出来るのです。

先ず、魚の骨の仕組みを知るために頭付きの魚を煮つけ、焼き魚で食べ、じっくりと確認してください。頭から尾へと近づくほどに細くなりながらもつながっている背骨。その上側(場所により骨の中であったり、上であったり)に神経が走りつながっているのです(骨の下側は血管)。
単純にこの神経を破壊することにより、シメられ、生命を亡くしたことを身体中の細胞に伝えることが出来ず、また魚体の中心にある部分の発熱を避けられることで、温度変化を抑え、身質を安定させるのです。
魚は生を無くした瞬間から、タンパクの分解が始まり、アミノ酸(甘み)、イノシン酸(旨味)が増えますが、死後硬直すればその変化は止まります。
神経を抜くことで死後硬直するまでの時間を延ばし、結果、魚を美味しく、品質を安定させ、可食日数まで延ばせるのです。

原理が理解出来れば、後は実践あるのみ。

始めはしっかりと部位を目視しながら行います。頭側なら首折れ状態にしてから、尾側なら身と骨を切断し、骨の断面がしっかり見える状態にして、白く見える神経穴を確認しながら針金を刺し入れます。その時、魚は激しく暴れますので、軍手等をはめて魚をしっかり保持します。
神経が破壊された証として、針金が入り進むほどに魚の動きが止まり、魚体色が薄く変化し、各ヒレと尾がピンと張りますので、成功しているかの確認は容易です。

【1.首折れ】魚体の上半分を切断した「首折れ」状態にすると、作業が簡単です。
【2.尾折れ】尾の前付近の身を切断し、骨を見える様にして神経の位置を目視しながら刺し入れる。
【3.神経の位置】魚体・骨の断面(サワラ尾側)。骨の上側に位置する白い穴が神経、下の穴が血管(血合い)。

骨を見ながらの作業に慣れたなら、プロの技である頭抜きに挑戦。

目と目の間あたりにキリ等を刺し、穴を開けてから針金を刺し入れ、神経の位置を探ります。骨、神経の位置は見えず、頭内の身を乗り越えながらという行程ですので難しい様に思えますが、神経に到達した瞬間の反応は同じですので、探りながら刺し入れます。
上達のコツは、見えない骨の位置を頭の中で思い描くこと。その為には、たくさん食べて毎回確認。手にした魚を可能な限り神経を抜く、という場数、経験が技を上達させるのです。

【4.頭抜き】目と目の間から神経抜き。神経に触れた瞬間、跳ねる様に暴れます(ピンと張った背ビレに注目)。背骨の位置(神経の位置)を思い描くため、魚体の体側線の延長線上に針金を位置することがコツ。
【5.鼻抜き】魚種により、鼻孔より刺し入れることで傷を最小限に出来ます(写真:カワハギ)。
【6.尾抜き】プロの技。鯛など頭の骨が硬く穴を開けにくい場合、尾の前側より刺し入れる。鱗を1枚めくりあげるように針金をあて、皮~身~骨を越え、神経を探り当てて神経を抜きます。
【7.針金とキリ】魚種・魚体の大きさの違いにより、骨の大きさ、硬さ、形状が変わりますので、針金の太さ、長さ、素材を変えます。

この記事は、会員制マリンクラブ(レンタルボート)Sea-Style会員様向けの会報誌に連載された内容を紹介するものです。

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