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ヤマハマリンクラブ・シースタイル

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Vol.19 神奈川県・東京湾

全国のマリーナでボートをレンタルして釣行脚。今回は神奈川県・横浜沖のシーバス・イシモチ・サバをご紹介。

この記事はヤマハマリンクラブ・シースタイルのレンタルボートでの釣行です。

今回のフィールドはクールでゴージャスな東京湾横浜沖。横浜を代表するシーバスやイシモチに加えて冬のマサバにもチャレンジ。ボート倶楽部2008年3月号 [ 文:齋藤海仁 / イラスト:名取幸美 ]

冬のサバにもえる

みなさん、今年の初釣りはいかがでした?いい釣りできたかな?かくいう隊長はまだ一度もサオを出してません。だって、この原稿を書いている今はまだ07年の年末だもん。
おっと、別に茶化すつもりはなくて、なにを言いたいかというとですね、今回は少々季節外れのレポートになるってこと。最初にそれをお断りしたかったわけです。
振り返ってみると、07年は厳しい年だった。最悪は原油高。ガソリンは陸でも一気にリッター150円を突破。この先安くなる見込みは薄そうだし、海のガソリンも軽油みたいに免税になるといいのになあ。
もうひとつ印象に残ったのは、やっぱり天気だ。07年の夏はとことん暑かった。35度以上の猛暑日が61日。40.09度と74年ぶりに最高気温を更新したのは覚えてるかな?
加えて、海水温も一段高で推移。気温も海水温もここまで高いのはあんまりいいことじゃないとは思うよ。けれど、おかげでうれしいこともひとつ。12月まで東京湾内にサバが残ったのだ。
東京湾のサバはたいてい秋のうちに姿を消しちゃうんだけど、ごくたまに年末くらいまで居残ることがある。なにがうれしいかって、そんなサバはメチャメチャうまい。知る人ぞ知る幻のサバである。光りモノ好きで"サバ萌え"な隊長としては、だから、今回はなにがなんでも東京湾なのであります。

初日はシーバスとイシモチで

基本的に東京湾のサバは内側に入るほど美味。情報をかき集めた結果、北限は中ノ瀬あたりだった。
とはいうものの、サバだけじゃちょっと寂しいし、回遊魚だから実はかなりリスキーでもある。中ノ瀬なら横浜沖だな。横浜か......そうだ、それなら日程を2日間にしてシーバスも釣ろう! 横浜といえば、多くの大会が行われるボートシーバスのメッカ。となると、出艇場所はDマリーナに決まり。風の塔から中ノ瀬、金沢八景沖までとエリアが広いし、なんといっても横浜港のど真ん中という抜群のロケーションを誇る。好ポイントの京浜運河も、あっという間だ。
Dマリーナには朝9時前に集合。首都高速の東神奈川インターを降りてすぐだから楽チンだ。今回のロコアングラーは吉原浩孝さんと藤田賢次郎さんにお願いした。お二人は横浜ベイサイドマリーナの近くに店を構えるボートショップ「ハウンツ」の社長と社員。とにかくヒマさえあれば海に出て釣りをしている釣り好きだ。
二人はこの日しか来られないため、初日に二人が得意とするシーバスと、それからこれまた横浜名物のイシモチをやり、2日目は隊長が単独でサバをねらうことにした。

してやったりのビッグフィッシュ

周りはシーバスのポイントだらけのDマリーナ。吉原さんと藤田さんは様子を見るべく、出航してすぐの暗きょにルアーをキャストしてみた。いわゆる"穴撃ち"だ。
しかし、シーバスの気配はまったくない。当日はこの冬一番という冷え込みのせいで、シャローはすっかり沈黙。そのため吉原さんは水深のある港の外へひとっ飛び。京浜運河からベイブリッジをくぐり、沖に面したバース周りに到着した。
魚探をチェックすると、水深は20メートル以上でベイトの反応もある。ここは期待できそうだゾ。吉原さんと藤田さんはコンクリートの巨大ストラクチャーにスピンテールジグをキャスト。底まで落とし込んでタダ巻きすると、吉原さんに来た。60センチ前後のグッドサイズ!その後も小型ながらヒットが続く。
好調な滑り出しに期待はますます膨らむ。けれど、シーバスが固まっているようで、ヒットポイントはとても狭かった。こういうときは手早く群れを探しては粘る釣り方が得策だ。次のコンクリートブロックに移動を決めた矢先、ほかのボートがスッと先に入ってしまった。
ボートが多いエリアだから、先行されるのは仕方がない。でも、先にストラクチャーを攻められるのが不利なのは事実。吉原さんの1尾目のように、ヤル気のある良型が真っ先に釣れる可能性があるからなあ、と、しばらくそのボートに注目していたら、案の定、釣っちゃったよ。それも70センチはありそうな良型を2尾......。
それでも好ポイントに思えたので、続いて我々もねらってみた。思ったとおり魚はいた。ジグを沈めるとよくアタる。が、残念ながらすべてフッコ級。大物はもう無理かと移動しかけたとき、吉原さんが言った。
「ルアーを変えてみましょう」
セットしたのはソフトルアー。7グラムのジグヘッドリグである。水深20メートル以上に7グラムは相当ライトだが、このときはちょうど潮止まりだった。それを利用して、潮流があるときは難しい超スローな釣りでなんとか大物を引っ張り出そうという魂胆だ。
で、ねらいはまんまと的中した。ルアーが着底後、リールを巻き始めてすぐ吉原さんのロッドが大きくひん曲がった。潜水艦のような重々しいヒキからして、ビッグフィッシュであることは間違いない。迫力のファイトの末、キャッチしたのは腹太の80センチ級。さすがァ!

ああ、感動の横浜沖

この1尾でターゲットをシーバスからイシモチ(シログチ)に切り替えた。
イシモチといえば、金沢八景沖が有名だ。八景からはイシモチねらいの遊漁船が一年を通じて出船している。人気の理由は、数が見込めるうえ、ハリに掛けるのにそれなりのコツが必要で、ゲーム性もあるからだろう。型を見る程度なら、初心者でも簡単に釣れるゆるキャラ具合もグー。おまけに近ごろは刺身の味が見直されてきて、グルメ派の間でも人気は上昇中である。
吉原さんによれば、ポイントの目安はずばり「遊漁船」とのこと。イシモチは砂泥地を回遊する魚のため、イチから探すのは大変な反面、遊漁船の邪魔にならないように離れていても釣れる。つまり、周年出ている遊漁船は便利なマーカーというわけだ。
釣り方は、ドウヅキ仕掛けのハリにアオイソメを何本かチョン掛けして、ときどきオモリが底を叩くタナをキープする。アタリはこれ以上ないってくらいわかりやすい。ガガガッと激しく手元まで伝わる。だけど、ここで合わせちゃダメ。サオ先に十分重みが乗ってから聞きアワセをする感じ。その加減がまたおもしろい。
八景沖にはやはり遊漁船が4、5隻集まっていた。一応魚探で地形をチェックしたら、なるほど、水深20~35メートルくらいのカケアガリになっている。

さっそく我々もサオを出してみた。今度は隊長が最初にイシモチをキャッチ。派手な前アタリでいきなり合わせず、ゆっくり聞き上げてハリに掛けるところなんぞ、手軽なカワハギ釣りみたいでなかなか楽しい。このあとも三人で順調にイシモチを釣り上げ、適度にキープしたところで釣りを終えた。
帰る途中に八景島を近くで眺め、横浜港内では豪華客船の〈飛鳥II〉やみなとみらい地区を見物して帰港。横浜港はやっぱりムードたっぷり。港内をクルージングするだけでもすっかり感動。ゲストをクルージングに連れてきたら、相当喜ぶだろうなあ。大物は釣れるし、横浜の海からの眺めはサイコーだし、大満足のDマリーナ釣行でありました。
って、終わりかよ!
いえいえ、翌日もちゃんと出航しましたよ。もちろんサバねらいで。
サバのポイントは本牧から金沢八景沖にかけての根周りか、中ノ瀬の南側で、基本的にアジと共通だ。釣法はアンカリングのライトビシ。この場合、遊漁船はアテにはできない。だからGPSに登録されている代表的な根の周辺で、魚探とカンを頼りに選ぶしかない。
最初にアンカリングしたのは横浜ベイサイドマリーナ沖の水深約20メートル地点だった。
ほどなくアジが釣れだした。腹から尾ビレのあたりがうっすらと黄味を帯びた極上のアジが入れ食いだ。普段ならこのアジで十分なんだけど、今回ばかりはサバがいいんだよなァ、サバが。サバよ来いっ!
やがて、アジとは異なる魚がヒット。このヒキはサバだ! ところが、釣り上げてみてがっかり。サバはサバでもゴマサバだった。その後、ゴマサバは大挙して押し寄せた。いつかはマサバが混じるかと、サバ萌えの隊長は必死に釣り続けたのに、ずっと本命は顔を見せてくれない。
そこで小柴沖に移動した。が、ここでもふたたびゴマサバ攻めに遭遇。でも、さっきよりは型がいいゾ。寄せエサを使うカカリ釣りでは移動してばかりだと集魚効率が悪い。結局、このポイントでぎりぎりまで粘ることにした。
そして、残り時間もあとわずかというところ、ついにその時が来た。何十尾というゴマサバに混じってたった1尾だけ。待ちに待った冬の東京湾のマサバが登場したのである!
傾いた12月の陽光を浴びて、丸々と太ったそのあでやかな腹は神々しいまでの虹色に輝いていた。
うまかったかって?
そりゃもちろん!

隊長:齋藤海仁(かいじん)

【隊長:齋藤海仁(かいじん)】

初日の帰港後に横浜の中華街に行った。この関帝廟は中華街のシンボルのひとつ。日本では函館、神戸、横浜の3カ所にある。基本は商売繁盛の神様。Dマリーナにおいでの際は、みなさんもぜひ。

ロコ・アングラー

【ロコ・アングラー】

吉原浩孝(よしはら・ひろたか)さん
ボストンホエラーやアルベマーレなどの正規代理店であるボートショップ「ハウンツ」の社長さん。それよりも、「チーム猫丸」の吉原浩之さんの実弟といったほうがわかりやすい? 横浜のシーバスを得意とするベテランアングラーだ。

釣果カレンダー

釣魚カレンダー

京浜運河と根岸湾がシーバスの二大ポイント。岸壁とストラクチャー周りならどこでも釣れる可能性があるため、手早く広いエリアを探ったほうが効率的だろう。中ノ瀬ではアジ、サバ、シーバス、シロギス、カレイ、イシモチ、スミイカなど、さまざまな魚が釣れるものの、ポイントを絞り込みにくいのが難点。週末であれば遊漁船を目印にするのも手。ただし、くれぐれも迷惑をかけないように。

横浜港周辺のフィールドマップ

横浜港周辺のフィールドマップ

京浜運河内はよほどの荒天でない限り出航可能。季節風が吹く冬でもOKだ。その反面、港の内外を問わず、船舶の往来が激しいので、他船の曳き波にはくれぐれも気をつけよう。予想外に大きな曳き波が来ることもある。富岡から金沢八景にかけては漁業用のブイやノリヒビが多く、要注意。また、底曳き船の直後を横切らないように。最低でも50メートルは離れること。

Dマリーナ

30年以上の実績を誇るマリンショップ「ダルマ」が06年5月にオープンしたマリーナ。保管から、販売、修理まで幅広く手がける。スタッフはベテラン揃いで、釣りにめっぽう詳しい人もおり、釣り情報には事欠かない。レンタル利用者は1台まで駐車場が無料だ。なお、近隣に釣具店がないため、エサはあらかじめ用意しておこう。

■交通アクセス
車利用=首都高速東神奈川出口より100m

■問い合わせ先
〒221-0044 神奈川県横浜市神奈川区東神奈川2-49-11
TEL:045-461-1062
URL:http://www.daruma-marine.com/

今回使用したタックル

今回は充実のラインナップを誇るDマリーナのレンタルタックルを利用した。基本的にはシーバス用のスピニングタックルで、7セットとラインナップは豊富。なかにはイシモチやアジ釣りに使えるものもある。エサ釣りに流用する場合、PEラインを巻いたスピニングリールを自分で用意しておけば完璧。レンタル料は無料(破損の場合は5,000円)。

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